ばけぴとの分析化学講座

分析化学について解説していきます。

第7-2回.有効数字の計算方法(四則演算)

 

こんにちは!ばけぴとです。

第7-2回は、有効数字の計算方法について、説明します。

有効数字の異なる2数を計算する時に、有効数字何桁まで表示していいかわからなくなりますよね!

そこで今回は、有効数字の四則演算を解説していきます。

 

それではいきましょう!

 

1.まとめ 

最初に図1に本日のまとめを記載します。

fig3. まとめ

図1. まとめ

加算減算、乗算除算に関わらず、有効数字の異なる2数の計算は、まず有効数字の桁数を合わせます。数値が不明なところは"0"と仮定します。その後普通に計算します。計算の過程で、仮定した"0"に関わった値は、信頼ならない数値なので、その桁は四捨五入します。よって、答えの有効数字の桁数は、計算前の2数のうち、有効数字の桁が小さい方にと同桁になります。

 

以下ではもう少し具体的に、どのように計算していくか見ていきましょう!

2.加算減算

それでは、図2を見てください。加算減算について、解説します。

fig1. 加算

図2. 加算減算


図2では、1.0×10~3+1.12×10~2の計算を例に説明しています。有効数字が異なる2数の計算の場合はまず、べき乗を同値に揃える。その後、有効数字の桁数を揃える。有効数字の桁数が小さい方の、不足桁の数値を"0"と仮定する。そして計算し、先程"0"と仮定した桁数の数値は信頼できないので、四捨五入する。つまり、答えは、2数のうち、有効数字の桁数が小さい方と同桁数になります。

 

図1で考えると、10~3に2数のべき乗を揃えたあと、1.000+0.112=1.112を計算し、その後、有効数字を3桁目を四捨五入し、1.1×10~3を答えとして、導くといった要領です!

3.乗算除算

次に図3を見てください。乗算除算について解説します。

fig2. 乗算

図3. 乗算除算


図3では、1.0×10~3 × 1.12×10~2を例に説明します。まず、2数の有効数字の桁数を大きい方に合わせます。有効数字1.0×10~3の場合、有効数字3桁目が不明なので、"0”と仮定し、1.00×10~3とします。1.00×10~3 × 1.12×10~2を計算すると、1.1200×10~5となります。ただし、先程仮定した、1.00×10~3の有効数字3桁目の"0”は信頼ならない数値なので、有効数字3桁目を四捨五入し、答えは有効数字2桁目までで表します。よって答えは、1.1×10~5となります。

 

やることをまとめると、1.0×10~3 × 1.12×10~2の場合、1.00×10~3 × 1.12×10~2を計算し、1.1200×10~5を算出します。その後、有効数字3桁目を四捨後入し、答えは1.1×10~5の有効数字2桁で表記します。

 

4.まとめ

最後にもう一度まとめを図4に示します。

fig3. まとめ

図4. まとめ

加算減算、乗算除算に関わらず、計算中に信頼できない数に関わった有効数字の桁は、四捨五入してしまいます。結果的に、計算前の2数のうち有効数字の桁数が小さい方(今回の場合だと1.0×10~3の2桁)に答えの桁数を合わせることになります。

 

今回の講義は以上です。

みなさん有効数字について、マスターできたでしょうか?

7-1回と7-2回の講義で、有効数字がいかに大事で、一桁変わると値の保証する範囲も大きく変わるということが、理解できたかと思います。

メスシリンダーで体積を読み取るとき、目盛りよりも一桁大きく数値をメモするように言われたのも、有効数字を大きくして、できるだけ値の保証範囲を限定するためだったんですね!(5mLと書くと4.5~5.4mL、5.0mLと書くと4.95~5.04mLと数値の保証範囲が限定的になります。)

 

みなさんも有効数字を気にして、数値を取り扱っていきましょう!

次回は、、、、何を解説するか考えます。笑

機器分析かクロマトグラフィーを解説しようかと思いますので、お楽しみに。

 

 

それではまた。

 

 

ばけぴと