第6回.絶対検量線法と内標準検量線法の違いを説明します
こんにちは。ばけぴとです。
前回は、初めてのYoutubeアップロード緊張しました。笑
今回は、絶対検量線法と内標準検量線法の違いを説明します。
*HPLCを例に説明していきます。HPLCを知らない人には難しいと感じるかもしれません。できる限りわかりやすくしましたが、わからないと感じた所は「そういうもんなんだ」と一線置いて読んでください。
今回も図1~8を見るだけで理解できるようにしました。
図1~8に文字が多いのですが、その分ブログの本文を減らしましたので、すんなり読めるかと思います。
それでは、いきましょう!
*図や文中に「内標準法」と「内標準検量線法」という言葉が入り混じっています。
どちらも同じ意味ですので、気にせず読み進めてください。
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目次
1.絶対検量線法と内標準検量線法の違い
図1.は絶対検量線法と内標準法の違いについて書かれています。
絶対検量線法では、x軸に濃度、y軸に強度。内標準検量線法では、x軸に濃度比、y軸に強度比をとります。濃度比と強度比は、定量対象物質の濃度(or強度)÷内標準の濃度(or強度)で算出されます。
2.内標準とは? 内標準はどう使う?
図2.は内標準とは何か?また、内標準の使用方法について説明しています。内標準は「ある物質を定量するために添加する物質のことです。」例1・例2共に、物質bを使って、物質aを定量しています。今回は、例2の使い方を説明していきます。HPLCでは、注入量が少なくなると、ピーク強度も低下します。イレギュラーで注入量が低下しても、内標準を入れておくと、強度比を算出することで、定量対象物質(例2では物質a)を確からしい値で定量できるようになります。
(図2中の「補正する」という意味は、ずれた値を確からしい値に計算しなおすという意味です。)
3.HPLCを例に、絶対検量線法と内標準検量線法の違いを説明
図3.では、物質Aと内標準Bの混合溶液(標準1~3)を測定した結果です。
注入量は3試料とも10μLで測定しました。3試料とも内標準含有濃度は5%で同じなので、ピーク強度も0.5で同じですね。
図4.では図3の標準1~3の測定結果を表にしました。絶対検量線法では、横軸に濃度、縦軸に強度をとり、内標準検量線法では、横軸に濃度比、縦軸に強度比をプロットしています。どちらもよい直線性の検量線が作れています。
4.内標準検量線法のメリット
図4までの解説を聞く感じでは、「絶対検量線法でも内標準検量線法でもどっちでもいいやん!」ってなりそうですが、これから内標準検量線法のメリットを説明していきます。
図5.は標準3を注入量10μLと5μLで測定した結果を示しています。注入量が10μLから5μLになると、物質Aも内標準Bもピーク強度が半分小さくなっています。
図6.の右表は、先程の図5.の結果をまとめたものです。注入量が10μLから5μLに変わると、物質Aの強度は半分になりますが、強度比(物質A強度÷内標準B強度)は変わりません。また、同じ試料(標準3)を測定しているので、注入量を10μLから5μLに変わっても、物質Aの濃度と濃度比(物質A濃度÷内標準B濃度)は変わりませんね。
図4.で作った検量線に、先程の標準3の結果を当てはめていきましょう。すると、絶対検量線法の注入量5μLだけ、検量線と離れた所にプロットされましたね。つまり、注入量が少なくなってしまった場合、絶対検量線法では、検量線がよい直線性で作れないが、内標準検量線ではよい直線性で作れることがわかります。
また、注入量のぶれがなく、絶対検量線と内標準検量線法共に、よい検量線を作れたとしても、未知濃度試料の測定の際に、注入量が少なくなってしまった場合、絶対検量線法では、真の値よりも、定量値が小さくなってしまいます。そのためにも、注入量等の測定条件がぶれやすい分析では、内標準検量線法で、確からしい値に補正できるようにしていきましょう!
5.まとめ(文字だけ)
まとめです。
最近検量線の話ばかりですが、検量線一つをとっても、それだけ奥が深いということですね♪ 次回は何を執筆するか未定ですので、この一週間で考えます。笑
それではまた お楽しみに!
ばけぴと