第二回.検量線(基礎~身近なものを例に説明)
こんにちは。ばけぴとです。
第二回の分析化学講座は、検量線について解説します。
前回の定性・定量に続いて、分析化学で必須な知識ですね。
定量の際に必ずと言っていい程使いますので、今日でしっかり理解しましょう。
検量線とは結論、定量用ただの数学の関数(1次関数や2次関数等)のことです。
もちろんこれだけじゃわからないと思うので、これからしっかり解説していきます。
今回も「誰が見てもわかる。」をモットーに解説していきます。
また今回は、図1・図2を見るだけで、理解できるようにしました。
図1・図2だけ見てもわからないという人は、本文も読んでみてください。
それではいきましょう!
目次
1. 検量線とは?
まずは図1を見てください。検量線とは?についてまとめました。
検量線とは「量を検証するための直線や曲線」のことですね。
言い換えると、数学の1次関数や2次関数のような数式・グラフ(線)を使って、
知りたい値(量)を調べよう(検)ってことです。
身近なところでは、体重計にも検量線が使われています。
体重計の検量線は、一次関数 y=0.1x の式で表せます。yを重さ(kg), xを力(N:単位名ニュートン)とします。体重計に力(N:単位名ニュートン)を強くかけると、重さ(kg)はその分大きく表示されますね。実際に体重計を指で強く押してみてください。どんどん指で強く押す(力が大きくなる)につれて、体重計の表示値(重さ)も大きくなると思います。つまり体重計は加えられた力の大きさを調べることで、乗っているものの重さを表示しているわけです。
例えば、体重計に600(N)の力が加わると、60kgと表示されます。
これはy=0.1xのxが600(N)の時、yは60(kg)であるということから、わかりますね(図1参照)。
これは言い換えると、60kgの人が体重計に乗ると、立っているだけでその人の足から体重計に600Nの力を加えているということにもなりますね(y=600の時、x=60)。
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2. 検量線を作成してみよう!
次にプレス機(指定の値の力を加えられる機械)と体重計を用いて、
検量線を作成してみましょう!そして、検量線が使われているか検証します。
図2にそれらの検量線作成方法とその結果をまとめましたので、
まずはこちらを見てください。
プレス機と体重計を用いた検量線作成の順番は、
① 紙にx軸(力:N)とy軸(重さ:kg)を書く。
② プレス機で200Nの力を加える。
③ 体重計の表示値をプロットを確認する。20kgと表示されたとする。
④ 紙にx=200, y=20 のところに点をプロットする。
⑤ ②~④と同様の操作を、プレス機で0N, 600N, 1000Nの力を加えたケースで実施。
⑥ プロットした各点を定規で結ぶ。
⑦ 検量線作成完了!
簡単ですね♪
また、検量線を作成できたことから、体重計には検量線が使われているとわかりましたね。
今回は、プロットした各点がすべて直線上に乗り、きれいな1次関数になりました。
しかし、どうがんばってもプロットした各点を1次関数や2次関数では、結べない時があります。
そういう時はどうするかというと、最小二乗法という方法を用いて、近似直線・近似曲線を引きます。
詳しくは、別の回で解説します。
簡単に言うと、最小二乗法を用いて1次関数を作成することは、
「通らない点もあるけど、一番妥当といえそうな1次関数直線を引いちゃいましょう。」ということです。
もう少し詳しく言うと、
「 まず【各点から近似直線までの距離】を二乗する。それらの和が最小となるように、近似直線を引く」
ということです。
あくまで参考までに。詳しくは、別の回で解説します。
次回は検量線(化学分析を例に)を説明します。
それではまた。
P.S.
~物理の知識~
1Nとは1kgの物体に、1m/s2の加速度を生じさせる力の大きさです。
重力加速度g=9.8m/s2なので、
1N = 1kg × 9.8m/s2
0.102N = 1kg
となります。
今回の図1や図2の説明では、計算が面倒なので0.1N = 1kgとしました。
さらにP.S.
今回もイメージしやすくなるために、多少の事実と異なる説明があるかもしれません。
体重計について詳しくないので、体重計に検量線が使われているという表現は、厳密にいうと違うかもしれません。
また、指定の力を加えられるプレス機なんてものが実在するかもわかりません。
あくまでイメージしやすく、初心者でも理解できることに重きを置いているため、多少の間違いは認めていただけると幸いです。