第7-1回.有効数字とは?有効数字の桁数とは?
こんにちは!ばけぴとです。
第7回は有効数字について、説明します。
有効数字について、あまり理解しないまま数字を扱っている人も多いと思います。
有効数字を気にしながら、数字を扱うと、分析結果等の数値の正確性を高めていくことができます。
今回は基礎中の基礎をお話しますので、
しっかりイメージを掴んでいきましょう!
それではいきましょう!
1.有効数字とは?
それでは、まず図1を見てください。
図1だけを見てもわからないという方は、下記の補足文を読んでください。有効数字とは、文字通り有効な数字のことです。言い換えると、有効数字は、「最小の位(くらい) は、一桁小さい位を四捨五入したらその値ですよ」と示しています。そのため、「0.01」と「0.010」は異なります。
- 「0.010」の場合、最小の位は小数点第3位の「0」ですね。この「0」は、一桁小さい位の小数第4位を四捨五入して得た値ということなので、「0.010」は0.0095~0.00104であることは確実に言えるということです。
- 「0.01」の場合、最小の位は小数第2位の「1」ですね。この「1」は、一桁小さい位の小数第3位を四捨五入して得た値ということなので、「0.01」は0.005~0.014であることは確実に言えるということです。
一つ0が付くか付かないかで、全然違いますね♪
2.有効数字の桁数とは?
次に、有効数字の桁数について、解説したので図2を見てください。
図2を見てもわからないという方は、下記の補足文を読んでください。「有効数字の桁数は何桁?」と聞かれる場面があるかと思います。結論は、「2.00×10の2乗(上付き文字にできませんでした)」のような指数表記の形にし、2.00の部分の桁数を有効数字の桁数とします。2.00の部分は先頭が1の位になるように表記します。
図2をもう一度見ると、「0.010の有効数字は何桁?」と問われても、0.010を見ているだけでは、有効数字が何桁かわかりません。1.0×10の2乗の指数表記にすると、有効数字の桁数がわかるようになります。面倒だと思うかもしれませんが、必ず一度この指数表記への変換を行いましょう。
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今回の講義は以上です。
かなり基礎的な内容でしたが、イメージは掴めましたか?イメージを掴めていると、有効数字の計算についても、理解でき、正しく数値を読み取れるようになります。
次回は、有効数字の四則演算について、解説していきます。
それではまた!
ばけぴと
第6回.絶対検量線法と内標準検量線法の違いを説明します
こんにちは。ばけぴとです。
前回は、初めてのYoutubeアップロード緊張しました。笑
今回は、絶対検量線法と内標準検量線法の違いを説明します。
*HPLCを例に説明していきます。HPLCを知らない人には難しいと感じるかもしれません。できる限りわかりやすくしましたが、わからないと感じた所は「そういうもんなんだ」と一線置いて読んでください。
今回も図1~8を見るだけで理解できるようにしました。
図1~8に文字が多いのですが、その分ブログの本文を減らしましたので、すんなり読めるかと思います。
それでは、いきましょう!
*図や文中に「内標準法」と「内標準検量線法」という言葉が入り混じっています。
どちらも同じ意味ですので、気にせず読み進めてください。
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目次
1.絶対検量線法と内標準検量線法の違い
図1.は絶対検量線法と内標準法の違いについて書かれています。
絶対検量線法では、x軸に濃度、y軸に強度。内標準検量線法では、x軸に濃度比、y軸に強度比をとります。濃度比と強度比は、定量対象物質の濃度(or強度)÷内標準の濃度(or強度)で算出されます。
2.内標準とは? 内標準はどう使う?
図2.は内標準とは何か?また、内標準の使用方法について説明しています。内標準は「ある物質を定量するために添加する物質のことです。」例1・例2共に、物質bを使って、物質aを定量しています。今回は、例2の使い方を説明していきます。HPLCでは、注入量が少なくなると、ピーク強度も低下します。イレギュラーで注入量が低下しても、内標準を入れておくと、強度比を算出することで、定量対象物質(例2では物質a)を確からしい値で定量できるようになります。
(図2中の「補正する」という意味は、ずれた値を確からしい値に計算しなおすという意味です。)
3.HPLCを例に、絶対検量線法と内標準検量線法の違いを説明
図3.では、物質Aと内標準Bの混合溶液(標準1~3)を測定した結果です。
注入量は3試料とも10μLで測定しました。3試料とも内標準含有濃度は5%で同じなので、ピーク強度も0.5で同じですね。
図4.では図3の標準1~3の測定結果を表にしました。絶対検量線法では、横軸に濃度、縦軸に強度をとり、内標準検量線法では、横軸に濃度比、縦軸に強度比をプロットしています。どちらもよい直線性の検量線が作れています。
4.内標準検量線法のメリット
図4までの解説を聞く感じでは、「絶対検量線法でも内標準検量線法でもどっちでもいいやん!」ってなりそうですが、これから内標準検量線法のメリットを説明していきます。
図5.は標準3を注入量10μLと5μLで測定した結果を示しています。注入量が10μLから5μLになると、物質Aも内標準Bもピーク強度が半分小さくなっています。
図6.の右表は、先程の図5.の結果をまとめたものです。注入量が10μLから5μLに変わると、物質Aの強度は半分になりますが、強度比(物質A強度÷内標準B強度)は変わりません。また、同じ試料(標準3)を測定しているので、注入量を10μLから5μLに変わっても、物質Aの濃度と濃度比(物質A濃度÷内標準B濃度)は変わりませんね。
図4.で作った検量線に、先程の標準3の結果を当てはめていきましょう。すると、絶対検量線法の注入量5μLだけ、検量線と離れた所にプロットされましたね。つまり、注入量が少なくなってしまった場合、絶対検量線法では、検量線がよい直線性で作れないが、内標準検量線ではよい直線性で作れることがわかります。
また、注入量のぶれがなく、絶対検量線と内標準検量線法共に、よい検量線を作れたとしても、未知濃度試料の測定の際に、注入量が少なくなってしまった場合、絶対検量線法では、真の値よりも、定量値が小さくなってしまいます。そのためにも、注入量等の測定条件がぶれやすい分析では、内標準検量線法で、確からしい値に補正できるようにしていきましょう!
5.まとめ(文字だけ)
まとめです。
最近検量線の話ばかりですが、検量線一つをとっても、それだけ奥が深いということですね♪ 次回は何を執筆するか未定ですので、この一週間で考えます。笑
それではまた お楽しみに!
ばけぴと
第5回 Excelでの検量線作成手順
こんにちは、ばけぴとです!
第5回はExcelでの検量線の作成方法を解説します。
実際に自分で検量線を作成すると、
検量線の理解も深まるかと思います!
また、Excelでのグラフ作成の知識も身につきますので、
皆さんぜひ勉強していってください♪
ちなみに今回、動画の方がわかりやすいかと思い、
youtubeで動画解説もしました。
ぜひこちらも一度ご覧ください!
(初めての試みです。笑)
それではいきましょう!
~完成版グラフ~
まず、完成版を紹介します。
今回は下図のような検量線を作成したいと思います。
~検量線作成手順~
1. まず下記情報をセルに入力します(①)。
例)グラフタイトル:検量線2(相関○)
x軸のタイトル:濃度(x軸)
y軸のタイトル:強度(y軸)
x軸の値:0, 10, 20, 30
y軸の値:0, 150, 210, 260
2. 「挿入」タブ②の「散布図」③から「散布図」④を左クリックする。
*散布図にカッコ書きがないものを選んでください。
散布図(平滑線)や散布図(直線)と書かれたものは選ばない。
3. 現れた四角の枠内⑤で右クリックし、「データ選択」⑥を左クリックする。
4. 下の画面が出てくるので、追加⑦を左クリックする。
5. 系列名:J6のセル⑧
系列Xの値:J8~J11のセル⑨
系列Yの値:K8~K12のセル⑩
をそれぞれ左クリックのドロッグ&ドロップで、範囲指定していく。
*系列名にはグラフタイトル
系列Xの値にはx軸(濃度)の値、
系列Yの値にはy軸の値(強度)が入ります。
その後OK→OKを左クリックする。
それで、グラフ上に点がプロットされます。
7. グラフ上の点を一つ⑪左クリックし、その後カーソルを動かさず、点上で右クリックする。その後「近似曲線の追加」⑫左クリックする。
8. 線形近似にチェックを入れる⑬。
9. 下にスクロールし、「グラフに数式を表示する」⑭と「グラフにR-2乗値を表示する⑮にチェックを入れる。そうすると、数式⑯と相関係数のR二乗の値⑰が表示される。
これで検量線のグラフ作成は完了です。
細かいグラフの整え方は先頭の下記リンク中の動画で紹介します。
動画では、今回の内容も併せて紹介していますので、文章でわかりにくいという方は、そちらもご覧ください。
それでは、またの講義で!
ばけぴと
第四回.相関係数と最小二乗法
こんにちは。ばけぴとです。
第4回は相関係数と最小二乗法について、お話します。
これも検量線を理解する上で必要な知識です。
みなさんがイメージしやすいように、できる限り噛み砕いて説明しました!
今回は今までと違い、本文はなしで、図1~4だけで説明します。
(図1~4自体に文字が多くなりましたが、、、笑)
内容は相関係数をメインに、最小二乗法はおまけとして、イメージできる程度に説明していきます。
それではいきましょう!
・目次
1.相関・相関係数とは?
2.相関係数(R2値)別の検量線を見てみよう!
3.実際に相関係数はどのぐらい必要?
4.おまけ;最小二乗法とは?
*ちなみに今回は、近似線を一次関数として、計算しました。
近似線は二次関数でも三次関数でも計算の仕方でいくらでも応用可能です。
Excelでは、設定次第で一次関数でも二次関数でも三次関数でも近似線を作れます。
本日の講義は以上です!
いかがでしょうか?
相関係数と最小二乗法について、イメージできましたか?
本講義で皆さんの理解を手助けできたなら、とてもうれしく思います。
次回は、Excelでの検量線(近似線)の作成方法を説明します!
実際に自分で作成してみると、検量線の理解も深まるかと思いますので、
次回の講義を見て、皆さんがご自身で検量線をExcel で作成してみましょう!
それではまた
by ばけぴと
第三回.検量線について化学分析を例に説明します
こんにちは。ばけぴとです。
第三回の分析化学講座は、検量線について化学分析を例に解説します。
今回も図を見ただけでわかるように解説していきます。
それでは、いきましょう!
目次
1. 概要
今回話す内容を図1に示します。
サンプル中に含有する物質Xの濃度を、知る方法を知ることで、検量線の理解を深めていきましょう。
今回は、HPLCという分析機器を使った例で説明します。
HPLCの詳しい説明は別講義で解説します。
HPLCでサンプルを分析すると、横軸が保持時間、縦軸がピーク強度のチャートが得られます。このチャートの見方は、物質が違えば、保持時間(横軸)が異なります。また、物質の濃度が大きいほど、ピーク強度が大きくなります(保持時間は変わりません)。
そのため、混合物サンプルをHPLCで測定すると、チャートには、含有物質の数だけ保持時間の異なるピークが出現します。また、それぞれのピーク強度の比例関係を利用して、各物質の含有濃度を定量することができます。
本講義では、下記①~③の順で、検量線の作成~サンプル中の物質X濃度の定量方法を説明します。
①検量線作成手順
②サンプル測定
③物質Xの含有
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2. ①検量線作成
それでは、まず実際に検量線を作成してみましょう。
図2にその手順を示します。
まず、物質Xの濃度が1%、5%、10%の各々3種の標準液を用意します。
標準液とは既知濃度液のことです。
この物質Xの1%、5%、10%各々3種の標準液をHPLCで測定しましょう。
その結果、物質Xは保持時間4.5秒のところにピークが現れ、
1%標準液は、ピーク強度0.1
5%標準液は、ピーク強度0.5
10%標準液は、ピーク強度1.0
という測定結果を得られました。
次にこれらの情報を基に、検量線を作成します。
検量線のグラフは、横軸を物質Xの濃度(%)、縦軸をピーク強度とします。
(*縦軸はピーク強度、ピーク面積のどちらでもいいのですが、今回は説明しやすいピーク強度で説明します。)
上記の3種の標準液の測定結果から、
横軸1%のとき、縦軸0.1
横軸5%のとき、縦軸0.5
横軸10%のとき、縦軸1.0
の3点をグラフにプロットします。
そしてその3点を通る直線を引くと検量線を作成完了です。
3. ②サンプル測定、③物質Xの濃度定量
次に②サンプルを測定し、③物質Xの濃度を定量します。
サンプルを測定すると、物質Xのピーク(保持時間4.5分)は、強度0.8で得られました。これを①で作成した検量線に当てはめると、縦軸0.8のとき横軸8%なので、サンプル中の物質Xの濃度は8%と定量できました。
4. おまけ
最後おまけです!まず、図4を見てください。
サンプルの定量は、基本的に検量線範囲内で行ってください。
理由としては、検量線範囲外(図4でいうと横軸10%以上)では、検量線が直線関係を維持しているとは限らないからです。
その理由を図5. のおまけ2で説明します。
基本的に分析では、高濃度になるにつれて、サチュレーション(傾きがどんどん低くなる)が起こります。また、低濃度になるにつれて、ばらつきが大きくなります。ダイナミックレンジ範囲内で定量しないと精度を保てなくなります。そのため、検量線範囲内で定量するようにしましょう。
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本日の講義は以上です。
次回は検量線の相関係数について、解説します。
それではごきげんよう!
第二回.検量線(基礎~身近なものを例に説明)
こんにちは。ばけぴとです。
第二回の分析化学講座は、検量線について解説します。
前回の定性・定量に続いて、分析化学で必須な知識ですね。
定量の際に必ずと言っていい程使いますので、今日でしっかり理解しましょう。
検量線とは結論、定量用ただの数学の関数(1次関数や2次関数等)のことです。
もちろんこれだけじゃわからないと思うので、これからしっかり解説していきます。
今回も「誰が見てもわかる。」をモットーに解説していきます。
また今回は、図1・図2を見るだけで、理解できるようにしました。
図1・図2だけ見てもわからないという人は、本文も読んでみてください。
それではいきましょう!
目次
1. 検量線とは?
まずは図1を見てください。検量線とは?についてまとめました。
検量線とは「量を検証するための直線や曲線」のことですね。
言い換えると、数学の1次関数や2次関数のような数式・グラフ(線)を使って、
知りたい値(量)を調べよう(検)ってことです。
身近なところでは、体重計にも検量線が使われています。
体重計の検量線は、一次関数 y=0.1x の式で表せます。yを重さ(kg), xを力(N:単位名ニュートン)とします。体重計に力(N:単位名ニュートン)を強くかけると、重さ(kg)はその分大きく表示されますね。実際に体重計を指で強く押してみてください。どんどん指で強く押す(力が大きくなる)につれて、体重計の表示値(重さ)も大きくなると思います。つまり体重計は加えられた力の大きさを調べることで、乗っているものの重さを表示しているわけです。
例えば、体重計に600(N)の力が加わると、60kgと表示されます。
これはy=0.1xのxが600(N)の時、yは60(kg)であるということから、わかりますね(図1参照)。
これは言い換えると、60kgの人が体重計に乗ると、立っているだけでその人の足から体重計に600Nの力を加えているということにもなりますね(y=600の時、x=60)。
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2. 検量線を作成してみよう!
次にプレス機(指定の値の力を加えられる機械)と体重計を用いて、
検量線を作成してみましょう!そして、検量線が使われているか検証します。
図2にそれらの検量線作成方法とその結果をまとめましたので、
まずはこちらを見てください。
プレス機と体重計を用いた検量線作成の順番は、
① 紙にx軸(力:N)とy軸(重さ:kg)を書く。
② プレス機で200Nの力を加える。
③ 体重計の表示値をプロットを確認する。20kgと表示されたとする。
④ 紙にx=200, y=20 のところに点をプロットする。
⑤ ②~④と同様の操作を、プレス機で0N, 600N, 1000Nの力を加えたケースで実施。
⑥ プロットした各点を定規で結ぶ。
⑦ 検量線作成完了!
簡単ですね♪
また、検量線を作成できたことから、体重計には検量線が使われているとわかりましたね。
今回は、プロットした各点がすべて直線上に乗り、きれいな1次関数になりました。
しかし、どうがんばってもプロットした各点を1次関数や2次関数では、結べない時があります。
そういう時はどうするかというと、最小二乗法という方法を用いて、近似直線・近似曲線を引きます。
詳しくは、別の回で解説します。
簡単に言うと、最小二乗法を用いて1次関数を作成することは、
「通らない点もあるけど、一番妥当といえそうな1次関数直線を引いちゃいましょう。」ということです。
もう少し詳しく言うと、
「 まず【各点から近似直線までの距離】を二乗する。それらの和が最小となるように、近似直線を引く」
ということです。
あくまで参考までに。詳しくは、別の回で解説します。
次回は検量線(化学分析を例に)を説明します。
それではまた。
P.S.
~物理の知識~
1Nとは1kgの物体に、1m/s2の加速度を生じさせる力の大きさです。
重力加速度g=9.8m/s2なので、
1N = 1kg × 9.8m/s2
0.102N = 1kg
となります。
今回の図1や図2の説明では、計算が面倒なので0.1N = 1kgとしました。
さらにP.S.
今回もイメージしやすくなるために、多少の事実と異なる説明があるかもしれません。
体重計について詳しくないので、体重計に検量線が使われているという表現は、厳密にいうと違うかもしれません。
また、指定の力を加えられるプレス機なんてものが実在するかもわかりません。
あくまでイメージしやすく、初心者でも理解できることに重きを置いているため、多少の間違いは認めていただけると幸いです。
第一回.定性分析と定量分析
はじめまして。ばけぴとです。
記念すべき第一回は定性分析と定量分析の違いについて説明します。分析に限らず、化学者にとっては避けて通れない道ですね。必ず理解するようにしましょう。とはいっても、難しい話じゃないので、安心してください。皆さんがイメージできるように、説明していきますので、いまいちわからないという人は最後まで読んでくださいね♪
それではいきましょう!
1. 定性と定量の意味とは?
それではまず、語句の意味について説明します。
・定性分析
サンプル中に"何"が含まれているかを調べる分析。または、サンプル中に分析対象が"含まれているか、いないか"を調べる分析。(分析対象例:元素種、分子構造など)
・定量分析
サンプル中に対象が"どのぐらい"含まれているか調べる分析。(分析対象例:混合物中の含有元素濃度、溶質の濃度)
*簡単に定性と定量の関係を、図1にまとめてみましたので、そっちもご確認ください♪
ただ、これだけではピンときませんよね。それでは、イメージしやすいように、お酒かどうか見分けるための分析を例に定性と定量分析の違いを説明します。
2. お酒の分析を例に、定性と定量を理解しよう!
それでは、定性と定量について、イメージしやすいように、次に身近な例で説明していきます。説明文が長くなってしまったので、先にまとめの図2を見てみましょう!
それでは、定性と定量を理解するために、お題を出します。
お題①:目の前に1つの液体があります。これがお酒か当ててください。
さて、どうすれば、液体をお酒か見分けることができるでしょうか?
私は下記の分析例①か分析例①'でお酒か見分けます。
分析例①:匂いを嗅いで、アルコールが含まれているか調べる。
分析例①':分析機器を用いて、液体中に含まれている各分子の構造をすべて調べ、アルコールが含まれているか調べる。
この分析例①と分析例①'は、定性分析ですね。
分析例①と分析例①'のどちらも、液体中にアルコールが"含まれているか、いないか"調べているので。(分析例①はかなり簡易的ですが、これも一応分析です。笑)
分析例①か分析例①'のどちらかを実施すれば、分析した液体がお酒かどうかわかりますね♪
それでは、次の場合はどうでしょう?
お題②:目の前に1つの液体があります。これがお酒か当ててください。ただし、ここの国の法律では、アルコール度数1%以上の液体をお酒という。
(*設定は適当です。アルコール度数1%未満でも、未成年は飲まないでね。笑)
分析例②:分析機器を用いて、液体中に含まれるアルコール濃度を調べる。
この分析例②は、定量分析ですね。
分析例②では、液体中にアルコールが"どのぐらい"含まれているか調べているので。
分析例②で得られた結果が、1%以上ならお酒、1%未満なら法律上お酒じゃないとわかりますね♪(蒸留装置などを用いれば、これを調べることができますが、詳しい分析機器については、今回は割愛します。)
ここで、もう一度図2を見て、ここまでをいったん整理してみましょう。
この2つのお酒の例を、先程の語句の意味説明に当てはめると、
・定性分析
サンプル(液体)中に"何"が含まれているかを調べる分析。または、サンプル(液体)中に分析対象(アルコール)が"含まれているか、いないか"を調べる分析。
・定量分析
サンプル(液体)中に分析対象(アルコール濃度)が"どのぐらい(何%)"含まれているかを調べる分析。
となり、定性分析と定量分析の違いがはっきりとわかるのではないでしょうか?
今回のお酒の例で、得られる分析結果は、
定性分析では、液体中に「アルコール含有なし」 or 「アルコール含有あり」というアルコール有無。
定量分析では、液体中のアルコール度数が「5%」や「0.5%未満」など具体的な数字。
となりますね。
*これまでの話を簡単に図2にまとめましたので、そちらもご覧ください。
雑学なので、この補足は参考程度に見てください。笑
by ばけぴと